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記事掲載

先日納めた木造伝馬船について、各紙で記事を掲載していただきました。

富山新聞さん、ありがとうございます。
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北日本新聞さん、ありがとうございます。
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読売新聞さん、ありがとうございます。
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伝馬船」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。打越(ウチコシ)といいます。
私は、桐でサーフボードを作っております。

板は、10ミリ厚程の物を反らせながら積層させて、中空にして原型を作りそれを鉋等で削り出しております。

最初の板はガラス繊維をまき樹脂を塗ってという、作り方で仕上げをしていたのですが、
ガラス繊維をまかずにそのまま使えないかと
試行錯誤を繰り返しております。その方が、木の自然な、浮遊感、しなり方、とても気持が良いのです。
ですが、海水がしみこんできて、ふやけて、最終的には接着面が剥がれてしまいます。

そこで目にしましたのが番匠さんの記事でして、昔の船は船底をどのように防水していたのでしょうか?また、接着剤はどの様な物をお使いなのでしょうか?突然で申し訳ございません。
宜しければお知恵をお貸しいただけないでしょうか。

投稿: 打越 一行 | 2009年7月11日 (土) 01時35分

打越様

お問い合せありがとうございます。
お問い合せ頂いた件につきまして回答いたしますので、参考になれば幸いです。

まず船底の防水についてですが、基本的には木と木を密着させることで防水としています。
時代によっては塗料を塗ったりコールタールを塗ることで防水としていたこともあったようですが、白木の船に仕上げる時にはとにかく接合面の密着性を高め、現在は補助的に防腐剤を浸透させ、船底のみクリアのウレタン塗料で仕上げています。

防腐剤は吉田製油所の9371(くさんない)というものを使用し、ウレタン塗料は家具用のものを使用しています。
どちらもホームセンターで購入できます。
ウレタン塗料は防水というよりひび割れを抑えるために塗っていますが、木の質感が感じられなくなるため、目立たない場所にしか塗っていません。
木造船の考え方としては、木に海水が染み込むことは許容しており、逆に木に浸透した海水が防腐剤の役割を果たすため、海水を吸いやすいように目の粗い杉を好んで使用し、定期的に海水をかけて手入れしています。
接合部についても同様に、木の収縮による隙間はある程度仕方ないものとして考え、開いた隙間は木が海水を吸うことで膨張し塞いでくれるような造り方をしています。
具体的には、接合部をカナヅチで叩いて木の繊維を潰す(キゴロシ)ことで、海水を含んだ際により膨張しやすく密着性が高まるようにしています。
また部位によっては接合部に檜の皮を詰めて、檜の皮の膨張により水漏れが止まるようにしています。
これらは、木造船の接合部が面ではなく線での接合であること、釘等により接合部を常に圧縮していることにより可能な考えだと思いますので、板を積層させる場合にはどちらかというと建築の合板や集成材の造り方を参考にされたほうがいいかもしれません。

次に接着剤についてですが、昔は漆を使用していたようですが、最近はユーロイドという接着剤を使用しています。
ユーロイドは硬化剤を混ぜて使用するものなので、使わない分は長く保存できますし、水溶性なので扱いがとても楽です。
また水に強く、接着力も強く、耐久性もあり、固まると透明なため目立ちません。
ただ、以前接着剤の問い合わせをいただいた方にユーロイドを紹介し、その方が東北ユーロイドに問い合わせたところ、今年の三月でメーカーが製造を中止したため現在は在庫品しかないとのことでした。
またユーロイドは業者向けの接着剤なので、一斗缶で購入することになると思います。
ですので現実的には、造船所や塗料屋さんから在庫品を分けてもらうか、メーカーに同等品を紹介してもらった方がいいと思います。
ただ、先述したように面接着の場合はもっと適した接着剤があるかもしれません。
例えば建築の面接着にはメラミン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂などの接着剤が耐水用として使用されています。
これらはあまり市販されていないとは思いますが、業者に相談するといいものを紹介してもらえるかもしれません。

最後に樹種についてですが、我々の地域では木造船にはスギとアテ(ヒバやヒノキに近い樹種)を使用しています。
部位によりケヤキやカシを使用することもありますが、基本的には軽い針葉樹を使っており木自体の浮力を利用しています。
桐も軽い木ですが、造船では使用しない木のため、木の特性により先に述べたような考え方が適さない可能性もあります。
樹種、造り方、用途により適したものは異なると思いますので、あくまでも参考程度とお考え下さい。
それでは、ボード作りがうまくいくようお祈りしています。

投稿: 息子 | 2009年7月14日 (火) 02時26分

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