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ナリウテンマ

2010年に完成したナリウテンマです。
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ナリウテンマとは舞鶴市の成生地方周辺で使用されている小型漁船です。

成生地方では、今でも木造船が現役で使用されていますが、
プラスチック船への乗り換えや船大工の高年齢化など、
他の地域同様、木造船の文化は失われつつあります。
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ナリウテンマは地元舞鶴市の船大工の監修のもと製作しました。
板図を借り受けたほか、細部の納め方などは電話で確認しながら
進めました。
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木造船の製作には、木の性格や用途などの状況に合わせた対応が求められる一方で、
『ここはこうなっていないと○○船とは呼べない』
といった暗黙のルールがあったりもするので、
初めて手がける船は、当時を知る人の話や写真や図面など、
事前に十分な確認が必要になります。


今回は漁船ではなく学生が使用するためのものですので、
ナリウテンマらしさを損なわない範囲で幅や深さを調整しました。
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船は氷見市で製作し、陸路で関東まで運びました。
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完成した船は、関東の学校の水泳部で使用されています。
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今回の船は、舞鶴市の伝統的な船を氷見市の大工が造り、
関東の学生が使用しています。
そのほかにも、大学教授やOBの方にご尽力いただいたり、
ネットで舟釘を購入したりと、
様々な場所の様々な立場の人に関わって頂いて造った、
現代らしい出自の船です。

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